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突然女の子は叫びました。
○「頭のいい人は大嫌い!」
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廻りの人はびっくりしました。「どうして」とおもいました。女の子は説明しようと思いました。けれど言葉が出て来ません。あれこれおもい、もう頭の中はいろんなおもいで一杯です。ちゃんと説明できたらいいなとはおもいますが、ともかくともかく、自分として最後に出てくる言葉はこれしかないと思いました。
「頭のいい人は大嫌い!」
女の子は泪がにじんでくるのが分かりました。体の中はもっともっと泪だらけだと思いました。
女の子は新聞で、数枚の写真を見ました。戦禍の中の子供の写真でした。可愛い、とてもきれいな顔をした子供の写真でした。自分のクラスにもこんな奇麗な顔をした友だちはいないのにと思いました。空からの爆撃で家をなくした子供です。
女の子は思いました。頭のいい人が飛行機を作った。頭のいい人が武器をつくった。どんどんどんどん人を殺す武器をつくった。写真の子どもたちは何も持っていないし、つくってもいないのに。動物は武器を持たないのに。女の子はこれ以上のことは分かりません。なぜということしか頭に浮かんできません。どうして人を殺すのか、そのことはいくら考えても分かりません。答えは出て来ません。唯頭のいい人が、強い力を持った人が嫌いとおもいました。
女の子の家の者はみな最新のものに弱く、友達の家にあるのに自分の家にないものが一杯です。だから新しいものがよく分かりません。空や海の上にいて、ボタンを押すだけで遠くの山や建物や、バスや人をやっつける武器のことなどまるで理解出来ません。よその人が作ったものを、こわしてはいけない。よその人のところに入っていって乱暴のことはしてはいけない。いけなことはしてはいけない。だけど頭のいい人は、と突然叫びたくなったのです。
女の子の体中の泪が叫びました。
「頭のいい人は大嫌い!」
今一度、新聞の写真を見ました。仲の良い友だちになれるとおもいました。自分の田舎の学校に来たら、とてもいい友だちになれるとおもいました。
2001
第1期 10話 完
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